大切な連れ合いの死
私たちは、いろんな葬儀にかかわります
最愛の妻の死
だんな様は肩を落とし背中を丸めずっと一人で式場の奥さまのそばにいました
静かに涙を流すだんな様のそばにいてあげたいと思うほど静かにだんな様は泣いていました
告別の日
だんな様は昨日よりもまして、小さく見えました
美空ひばりの川の流れのように
その歌声は、皆様の心に静かに入り込んでくるようでした
だんなさまは
私に話しかけてきました
あなたは人材の方なのかい?
いろいろありがとう
私はいいえ・・・とんでもない
おそばにおります
何かあれば、何でもいってください
大変なおしごとでね・・・
私は・・・いえ
でも毎日いろいろな葬儀にかかわるたびに考えさせられます
だんな様はうんうん・・・と何回もうなずきながら
奥様はとても几帳面だったこと
ひまさえあれば、子供を怒っていたなあ・・・
もう
戻ってこないのかなあ
1000万でも2000万でも払ってもいい・・・
あいつが帰ってくるなら・・・・
なんにもいらない・・
もう帰ってこないんだよなあ・・・そういってふらふら式場に又入っていきました
ご出棺です
火葬棟に行くときも釜に入るときも
もう・・・だんな様は洋子・・洋子・・・ごめんな・・・・
ずっとないておりました
そして収コツの時間が来ました
お骨の確認で又・・・
あ~ああ~・・・洋子・・・こんなになって・・・
涙はたえることなく流れていました
お骨をつぼにいれ・・・・火夫さんがお骨が入りきらないので
少し崩させていただきます
よろしいですか?
無言・・・・
私はとっさに近くに走りよりました
危ない!がちっとささえ、喪主様!すみませんいすを持ってきてくださいますか?
喪主様一度座りましょうね・・・
返答はありません
いすに座らせても・・・喪主様は倒れていきます
私はすぐ脈拍を見ました
みんな・・・騒ぎ出しました
待ってください!私は消防団員です!大丈夫です
みんな・・・あ~よかったと言って静かになりました
脈はあります
意識が戻りません
お酒も入っているようでした
疲れと悲しみが頂点に達したんでしょう・・・・
しばらくして喪主様は意識を戻しました
何度も何度も頭を下げる喪主様とご長男、ご長女・・・
ご長女さまは
本当にありがとうございましたとおっしゃってくださりました
お父様を大切に・・・女が一番強いんです
彼女は
はい!女はつよいです・・・そういって涙を流しました
喪主様
奥様はずっと喪主様の心の中にいます
離れることなくずっと・・・・
だからきっと長生きしてください
それが、ご供養です
がんばってください
素敵な人生を作っていってください